うずのしゅげを知っていますか。
 うずのしゅげは、植物学ではおきなぐさと呼ばれますがおきなぐさという名は何だかあのや
さしい若い花をあらわさないようにおもいます。
 そんならうずのしゅげとは何のことかと云われても私にはわかったような亦わからないよう
な気がします。
    宮沢賢治「おきなぐさ」より
安比高原の「オキナグサ」
作品ID1085

私は考えます。なぜひばりはうずのしゅげの銀毛(ぎんもう)の飛(と)んで行った北の方へ飛(と)ばなかったか、まっすぐに空の方へ飛(と)んだか。
 それはたしかに、二つのうずのしゅげのたましいが天の方へ行ったからです。そしてもう追(お)いつけなくなったときひばりはあのみじかい別(わか)れの歌を贈(おく)ったのだろうと思います。そんなら天上へ行った二つの小さなたましいはどうなったか、私はそれは二つの小さな変光星(へんこうせい)になったと思います。なぜなら変光星(へんこうせい)はあるときは黒くて天文台からも見えず、あるときは蟻(あり)が言(い)ったように赤く光って見えるからです。

引用:青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/

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