雪がすっかり凍って大理
石よりも堅くなり、空も冷
たい滑らかな青い石の板
で出来ているらしいのです。
「堅雪かんこ、しみ雪
しんこ。」
お日様がまっ白に燃えて百合の匂を撒き
ちらし又雪をぎらぎら照ら
しました。
木なんかみんなザラメを掛
けたように霜でぴかぴか
しています。
「堅雪かんこ、凍み雪しんこ
。」
四郎とかん子とは小さな雪沓をはいてキックキック
キック、野原に出ました。
こんな面白い日が、
またとあるでしょうか。いつもは歩
けない黍の畑の中でも、
すすきで一杯だった
野原の上でも、すきな方へどこ迄
でも行けるのです。平らな
ことはまるで一枚の板です。そし
てそれが沢山の小さ
な小さな鏡のようにキラキラキラキ
ラ光るのです。
「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。」
引用:青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/
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